ラケットを買おうと商品ページを開いて、「ラバーは別売りです」と書いてあって手が止まった——。卓球を始めるとき、ほとんどの方がここでつまずきます。この記事では、ラケットとラバーをどう組み合わせて選べばいいのかを3つのステップに整理し、最後に単品でそろえた場合とセットで買った場合の金額を、当店の実際の販売価格で比べます。
この記事について
本記事は「卓球スタートショップ」のコラムです。紹介しているのはすべて当店で取り扱っている商品です。選定の基準は「初めての人が扱いやすいこと」「基礎が身につくこと」「長く使えること」の3点で、価格の高いものを優先して勧めることはしていません。掲載している金額は本記事作成時点の税込価格です。
そもそも、ラケットとラバーは別売りです
卓球のラケットは、板(ブレード)だけの状態で売られているのが基本です。そこにラバーを2枚(表面と裏面の分)貼って、はじめて試合で使える1本になります。テニスやバドミントンのラケットのように、買ってそのまま打てるわけではありません。
なぜ別売りなのか。理由は2つあります。
- 組み合わせを自分で決められるから:同じラケットでも、貼るラバーによって打球感や飛び方が変わります。上達に合わせて片面だけ替える、といったこともできます。
- ラバーが消耗品だから:ラバーは使ううちに回転がかかりにくくなり、定期的な貼り替えが必要です。板だけを長く使い、ラバーを交換していくのが一般的な使い方です。
つまり、最初に買うのは「ラケット1本+ラバー2枚+貼り付け用の道具」の3点セットです。ここを知らずにラケットだけ買ってしまうと、届いても打てません。
組み合わせを決める3ステップ
STEP1 ラケットは「木材5枚合板」から選ぶ
ラケットは、薄い板を何枚も貼り合わせて作られています。初心者が最初に選ぶなら、木材だけを5枚重ねた「木材5枚合板」が基準になります。
- 弾みが穏やか:ボールが飛びすぎないので、力加減を覚えやすい。
- 打った感触が分かりやすい:当たった場所や強さが手に伝わるので、フォームの善し悪しを自分で判断できます。
- 長く使える:上達しても使い続けられる万能型です。
一方、カーボンなどの特殊素材が入ったラケットは弾みが強く、軽く当てただけでボールが台から出てしまいます。値段も上がります。最初の1本には向きません。
当店で初心者の方に選ばれている木材ラケットの例です。
- コルベル(バタフライ)6,050円 木材5枚合板の定番。迷ったらこれで間違いありません。
- SK7クラシック(バタフライ)7,480円 7枚合板。もう少し弾みが欲しい方に。
- ティモボルCAF(バタフライ)8,250円 軽さと弾みのバランス型。
持ち手(グリップ)の形はFL(フレア)を選んでおけば失敗しません。先が広がっていて手にすっぽり収まるので、毎回同じ握り方になります。くわしくは卓球ラケットの選び方にまとめています。
STEP2 ラバーは「裏ソフト」、厚さは「中」か「厚」
ラバーには表面の形状で何種類かありますが、初心者は「裏ソフト」の一択です。表面が平らでボールが引っかかりやすく、回転をかける感覚を覚えられます。表ソフトや粒高は、狙いを持って選ぶ中級者以上の道具です。
次に決めるのがスポンジの厚さです。
| 厚さ | 性格 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 薄・中 | 飛びにくく、当てて返しやすい | 小学生・力に自信のない方 |
| 中厚・厚 | コントロールと威力のバランス型 | 迷ったらここ。中高生・大人の標準 |
| 特厚 | よく飛び、回転もかかるが難しい | フォームが固まってから |
入門用の定番がマークV(ヤサカ)3,520円です。長く売られている高弾性の裏ソフトで、扱いやすさに定評があります。
忘れやすい注意点
ラバーは2枚必要です。表面と裏面の両方に貼るためで、1枚だけ買っても片面しか使えません。また、表と裏は違う色にする決まりがあります。もっとも一般的なのは赤と黒の組み合わせです。
ラバーの種類や硬さの話は卓球ラバーの種類と選び方でくわしく解説しています。
STEP3 貼り付ける道具も一緒に買う
ラケットとラバーがそろっても、貼り付ける道具がないと組み立てられません。ここを買い忘れて、届いた日に打てなかった——というのが、初めての方に最も多い失敗です。
| 貼り付けシート | 接着剤 | |
|---|---|---|
| 代表的な商品 | チャックシート2 330円 | フリー・チャック2-L 1,650円 |
| 扱いやすさ | 貼るだけ。乾燥待ちなし | 塗って20〜30分乾かす |
| 貼り直し | しにくい | しやすい |
| 向いている人 | 初めての方 | 頻繁に貼り替える人 |
初めてなら貼り付けシートをおすすめします。液体を塗る手間も乾燥時間もなく、失敗しにくいためです。このほか、はみ出したラバーを切るためのよく切れるハサミを用意しておいてください。
手順は写真つきでラバーの貼り方ガイドにまとめてあります。慣れれば片面10〜15分ほどの作業です。なお、当店では貼り付けの代行は行っておりません。
初心者に向く組み合わせ、3つの型
ここまでの3ステップを実際の組み合わせにすると、次の3つに整理できます。いずれもラケットとラバー2枚がそろった状態でお届けします(貼り付けはご自身で行っていただきます)。
| 型 | こんな方に | 中身 | 価格 |
|---|---|---|---|
| 軽さ重視 | 小学生・力に自信のない方 | エクスターV+マークV | 9,200円 |
| 王道 | 中高生・大人の入門 | コルベル+マークV | 10,900円 |
| 上達重視 | 部活で本気で取り組む方 | コルベル+ラクザ7 | 15,900円 |
4つのセットを中身ごとに並べた比較は初心者向け卓球セットはどれを選ぶ?にあります。使う人の年齢と予算から選びたい方は、用具えらびもご利用ください。
やってはいけない組み合わせ
選び方を間違えると、上達が遠回りになります。よくある4つを挙げておきます。
- 上級者向けラケット × 高性能ラバー:どちらも弾むので、軽く当てただけでボールが台から飛び出します。「速い球が打てる用具」は「止められない用具」でもあります。まずは弾みの穏やかな組み合わせで、狙ったところに返せるようになってからです。
- ラバーを1枚しか買わない:片面だけでは試合になりません。値段を見るときは、必ず2枚分で計算してください。
- 貼り付け道具を買い忘れる:ラケットとラバーだけ届いても、組み立てられません。
- ラバーを貼り替えられない安価な完成品を選ぶ:数千円で「すぐ打てる」と書かれた商品の中には、ラバーが薄く貼り付けられていて交換できないものがあります。回転がかからなくなった時点で買い替えになるため、結局は割高です。
単品でそろえるのとセット、どちらが安い?
ここが本題です。同じ「コルベル+マークV2枚」の組み合わせで、買い方を変えると金額がどう変わるかを並べます。
| 買い方 | 内訳 | 合計 |
|---|---|---|
| 単品でそろえる | コルベル 6,050円 + マークV 3,520円 × 2枚 |
13,090円 |
| セットで買う | 初心者おすすめセット(同じ中身) | 10,900円 |
中身がまったく同じで、2,190円の差が出ます。ラケットとラバーを別々に選ぶ理由が特にないのであれば、セットのほうが単純に得です。
ただし、この2つにはどちらも貼り付け用のシートが含まれていません。実際に打てる状態にするには、チャックシート2(330円)を足す必要があります。
ケースやお手入れ用品まで一度にそろえたい場合は、全部入りスターターキット(13,900円)があります。こちらは同じラケット・ラバーに、貼り付けシート・ラケットケース・クリーナー・スポンジまで含まれた内容です。届いたその日に、貼って・打って・お手入れまで完結します。
まとめると、選び方はこうなります。
- とにかく安く始めたい → セット(10,900円)+ 貼り付けシート(330円)
- ケースやお手入れ用品も要る → 全部入りスターターキット(13,900円)
- ラケットかラバーにこだわりがある → 単品で組み合わせる
よくある質問
Q. 表と裏で違うラバーを貼ってもいいですか?
A. 問題ありません。ただし初心者のうちは、両面同じラバーのほうが打球感が統一されて上達しやすくなります。使い分けは、自分の戦い方が見えてきてからで十分です。
Q. ラバーの色は自由に選べますか?
A. 表と裏で違う色にする決まりがあります。もっとも一般的なのは赤と黒の組み合わせで、どちらの面をどちらの色にするかは自由です。
Q. ラバーの貼り替えは自分でできますか?
A. できます。貼り付けシートを使えば、乾燥時間もなく片面10〜15分ほどです。手順はラバーの貼り方ガイドをご覧ください。
Q. どのくらいで貼り替えるのですか?
A. 打った合計時間で80〜100時間が目安です。毎日練習する部活生なら2〜3か月、週1回の練習なら半年〜1年ほど。回転がかからなくなった、表面がテカってきた、というのが替えどきのサインです。ラバーの替えどき診断で確認できます。
Q. ボールもセットに入っていますか?
A. 入っていません。ボールは別売りです。卓球ボールの選び方を参考に、練習量に合った個数をお選びください。
まとめ
- 卓球のラケットは板だけ。ラバー2枚と貼り付け道具をあわせて買う
- ラケットは木材5枚合板、ラバーは裏ソフトの中厚〜厚が入門の基準
- グリップは迷ったらFL(フレア)
- 同じ中身ならセットのほうが2,190円安い
- セットにも貼り付けシートは含まれないので、忘れずに追加する
そろえるものの全体像ははじめての卓球 スタートガイドに、お手入れ用品は卓球のメンテ用品の基本にまとめてあります。